遺伝性・先天性腎疾患
遺伝性・先天性腎疾患とは、生まれつき腎臓に構造的・機能的な異常をもつ病気や、遺伝により発症する腎臓の病気です。症状が出る年齢や進行の速さは個人差があり、長期間にわたり慎重な経過観察が必要になります。
主な疾患と特徴
多発性嚢胞腎(ADPKD:常染色体優性多発性嚢胞腎)
腎臓の中に多数の液体の袋(嚢胞)ができる遺伝性の疾患で、時間の経過とともに嚢胞が大きくなり、腎臓の正常な組織が圧迫・破壊され、慢性的に腎機能が低下していく病気です。
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遺伝形式は常染色体優性遺伝で、親が患者である場合、子どもに50%の確率で遺伝する可能性があります。
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若年期から血圧が高い、血尿が出る、腰や脇腹に違和感があるなどの症状が出る場合があります。
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腎機能の低下だけでなく、肝嚢胞、脳動脈瘤、心臓弁膜症などを合併することもあるため、全身の定期的なチェックが重要です。
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腎機能が保たれている段階からの**生活指導・高血圧の管理・定期的な画像検査(エコー・MRIなど)**が必要です。
その他の遺伝性腎疾患のご相談
以下のような疾患や疑いについても、当院ではご相談を承っています。
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アルポート症候群(難聴や目の異常を合併することがある遺伝性疾患)
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家族性低リン血症性くる病
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先天性腎低形成、腎盂形成異常など構造的な奇形
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その他のまれな遺伝性腎疾患
「家族に腎臓の病気の人がいる」「親が透析をしているので心配」「若くして高血圧や血尿がある」など、不安を感じたときは、お気軽にご相談ください。
当院での対応
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腎臓専門医が患者さんやご家族の背景・症状を丁寧に確認
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必要に応じて血液検査・尿検査・エコー・MRIなどの画像診断を実施
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生活習慣の見直しや高血圧管理などを通して腎機能の悪化を予防
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他の専門診療科(遺伝カウンセリング、神経内科、耳鼻科、眼科など)との連携
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必要時には大学病院や専門医療機関への紹介・連携
ご家族への配慮も含めた継続的なケアを
遺伝性腎疾患はご家族にも関連することが多いため、本人だけでなく家族単位での情報共有・支援が大切です。
基本的には機関病院での専門的な継続管理が必要になることが多いのですが、腎疾患に関する不安や疑問があれば、どうぞご遠慮なくご相談ください。
