腎臓の病気
腎臓の機能をひとことで言うと、「体液の恒常性の維持」です。腎臓は尿を生成を通じて、体の中にたまった老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をきれいにする機能があります。また、赤血球の生産をうながす「エリスロポエチン」やレニン、プロスタグランディン、カリクレイン、キニンなどの血圧を調整するような、ホルモンをつくって分泌しています。
腎臓疾患
腎臓の病気は、主に下記のような病名のものがあります。ただし急性腎不全、慢性腎臓病などは、あくまで腎臓の機能が急性にあるいは慢性的に損なわれた状態を表しているだけで、その原因は様々です。
- 急性腎不全:急激に腎機能が損なわれた状態。
- 慢性腎不全・慢性腎臓病(Chronic Renal Disease CKD):慢性的に腎機能が損なわれた状態。CKDにはステージがあります。原因は、腎炎以外に、糖尿病によるものや高血圧などの動脈硬化性のものが多いです。CKD患者は日本人の8人に1人と言われています。
- 腎盂腎炎:腎臓自体に感染を起こした状態。
- 急性糸球体腎炎:腎臓の機能単位の要である糸球体という濾過装置の異常です。
- 慢性糸球体腎炎
- 腎臓癌:肉眼的血尿などで見つかることが多い
- 腎結石:腎臓自体の結石はエコーで偶発的に見つかるか、尿管に結石が嵌頓して仙痛発作や尿路感染症を起こして発見されることが多い
- 尿管結石
- ネフローゼ症候群:浮腫、高度の蛋白尿で発症。
- IgA腎症:糸球体腎炎の中の一つの病態です。
腎臓が悪くなった時の症状
腎臓は予備能があり、かなりダメージが及んでから自覚症状が出てきます。また、腎臓自体の損なわれた機能を劇的に回復させる治療はありません。
いち早く腎臓の異変を反映するのが尿検査になります。健診で蛋白尿や血尿など確認するのは、そのためです。
もし検尿異常がある場合には、早めに受診してください。
- むくみが出る
- 尿量が少なくなった
- 夜間にトイレに行く回数が増えた
- 尿の回数が増えた
- だるさが抜けない
- 貧血による動悸や息切れ、めまいや立ちくらみがでる
- 発疹がないのに体にかゆみがある
腎臓の病気になると、上記のような症状が現れることがあります。放置しておくと、生命に危険を及ぼす恐れもあります。比較的初期に病気が発見されれば、進行を食い止める治療ができる場合が多いのですが、病状が進行すると、人工透析や移植などの必要が出てきますので、上記にあるような症状が出たら、早めに当院にご相談ください。