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睡眠のはなし

[2025.02.27]

睡眠専門のクリニックへ修行に出る様になって、約2ヶ月経ちました。

まだまだ、睡眠外来で独り立ちは難しそう、とても奥の深い分野だと感じます。

ようやく全体像が見えてきたので、ざっくりと所感を記録してみようと思います。

 

睡眠のお困りごとはシンプルです。

患者さんの訴えだけを抽出すると、

寝付けなくなった

何回も起きてしまう 

日中に眠くて困っている

朝起きられないから、学校や仕事に支障が出て困っている

というのが圧倒的に多いです。

では、その主たる原因は何か?診断はどうか?というところがとても難しいのです。

 

若者に多いのが、極端な夜型パターンになって生活に支障が出る「睡眠相後退症候群」です。

いわゆる時差ボケのようなリズム障害の病態で、夜早く寝たいのに眠れなくて困る、反面朝がすっごく辛くて学校に行けない など実生活に支障がある場合には治療をお勧めします。

睡眠衛生環境の改善および薬物治療を中心に、概日リズムの改善が見込めます。

 

全年代で考慮するのが 「睡眠時無呼吸症候群」です。

いびきの自覚がなくても、睡眠ポリグラフ検査をやってみると意外と該当者が多いです。

診断されれば、CPAPという装置を睡眠中に装着する治療を開始します。

「睡眠時無呼吸症候群」は認知度が高いので、診断されてもいびきの病気でしょ?と甘く考えがちですが、メタボリックシンドロームとの関わりも深いですし、未治療だと死亡率も上がってくる怖い疾患です。

 

そのほか、中年以降増えてくる「むずむず脚症候群」のような疾患、「鉄欠乏性貧血」ベースの睡眠障害も意外と多いです。

単純に必要な睡眠が足りていない不調のこともありますし、何かのイベントなど精神的なプレッシャーで睡眠障害が出ることもあります。

うつ病の表現型として出ることもありますし、更年期障害の表現型のこともあります。

また、睡眠自体は摂れているのに、日中の病的な眠気が問題となる「過眠症」と呼ばれる病態のことも、、、

 

全体に言えるのは、睡眠衛生がとても大切!ということ。 

特に「光環境」・「アルコール」・「カフェイン」の3つは、良い睡眠に影響しますので、必ず確認します。

 

また、睡眠障害の診療の難しさは、これらの病態や要素か入り混じって存在していること、かつ、診断自体を支持する検査がとても少ないことです。

なので、詳細な問診の大切さと、トライアンドエラーを繰り返しながらの継続的な治療が大切となってきます。

 

たかが、睡眠。

されど、良い睡眠の確保は、みんなの希望でもあります。

ちょっとずつ、糸口くらいはたぐれるようになってきましたので、睡眠でお困りの場合は、お気軽にご相談ください⭐️

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