小林製薬 紅麹配合サプリによる腎障害について <追記>
ようやく桜も咲き始め、ポカポカと暖かい陽気に誘われて、週末は近所にお花見に行きました。
周りを見ても笑顔の人が多く、気持ちのいい1日でした。
年明けからあっという間に4月。
気持ちを新たに、新年度も頑張りたいと思います。
さて、表題の件に関してですが、、
「紅麹」、自体が悪いわけではなく、おそらくサプリメントになんからの腎毒性のある物質が含まれていたのだと考えられています。
候補の物質として、プベルル酸が挙がっていますが、まだ詳細な解明はこれからというところでしょう。
こういうことはよくあるのか、と言われると、サプリメント摂取によって透析や死亡にいたるほどの腎障害や健康障害が起きるのは珍しいと考えます。
ただ、原因不明の腎障害がある場合、問診で必ず薬剤歴およびサプリメント摂取歴は確認します。
サプリメント全体に言えることですが、特定の化学物質を精製あるいは濃縮しているにもかかわらず、どちらかといえば健康補助食品という分類なので、医薬品のような厳密な治験も行われていません。
パッケージの文言だけ見ると絶大な効果がありそうですし、あまり薬に頼りたくない人ほど「サプリメントは副作用もなく体にいいもの」という認識があるのかな。
今回の件で、安易なサプリメント信仰は危険?!と考える方も増えるのではないかと思います。
報告例を見る限り、基礎疾患のない若い人でも腎障害が出ていますが、腎臓は相当なダメージを受けないと自覚症状がありません。
もし摂取歴がある場合は、摂取歴を申し出た上で、採血や尿検査を受けることをお勧めします。
万が一腎障害があった場合に、摂取をやめれば回復するかどうかですが、累積の摂取量や腎臓自体の不可逆的なダメージの程度により経過が変わってきます。
まだわからないことだらけですので、一般的な内容になりましたが、もう少し情報が整理されたところで、ブログを更新しようと思います。
<追記>小林製薬 紅麹による腎障害について
原因物質は未だ確定はしていません(プベルル酸が有力候補)が、腎障害の機序としては、「尿細管障害」の一つである薬剤性Fanconi症候群の経過に似た病態のようです。
薬剤性Fanconi症候群?と言われてもピンとこないと思いますが、、
腎臓の機能部位には、ざっくりと二つの部分があります。
①最初に血液を濾過して尿の原料(原尿)を作る糸球体という濾過装置の部分
②濾過された原尿中の物質(ブドウ糖やアミノ酸、電解質、酸アルカリ性物質、水分など)のやりとり (原尿の再吸収や分泌)をする尿細管という部分
今回の紅麹にまつわる腎障害の機転は、尿細管が主座で、この尿細管の機能が損なわれて、体液の量と品質管理(恒常性を維持)をする機能が働かなくなった状態のようです。
サプリメント摂取歴がある場合、服用中止が最初のステップなのは同様ですが、
検査としては、採血での腎機能や電解質の確認、尿中のタンパク尿や電解質やブドウ糖、pH、また尿細管障害マーカーの確認などが必要かと思われます。